すべてのはじまり
かつて人類は神さまをころした
おもいどおりのしあわせをくれない神さまを
たったひとりのだれかを特別におもう神さまを
ころされた神さまをあいする神々はいきどおった
かれらは人類をほろぼすために神人をつくった
すべてのものを透明な水にかえてしまう
おそろしいちからをもったばけものを
大地もまちもひとも、草も木も鳥も、みな水にかわり
広大な海となった
のこされたひとびとはすべてのちからをあつめて神さまとたたかった
そしてひとびとはついに神人を海の底に封印することに成功した
神人をつくるためにちからを使い果たした神さまたちは
ひとり、またひとりと人間たちにころされていった
神人を封じた海は、ひとがおかしてはならない領域として
いまもそこにありつづける
愛するものをころされた神さまと人間の
しおからい涙をたたえたまま