さかな

つま先で数えながら歩こう
ひとつ ふたつ
降り注ぐひかりは数えられないけど
この夜の深さは数えられるよ

夜という海を泳ごう
ただふたりで
静かに揺れる青い空気は
水底の潮の流れ

昨日の夜君がやってきた
昨日が今日に変わる少し前
僕の部屋のドアを叩いた
ひらひらと夜を泳ぐ
赤いさかなの君

夜の街は広いから
ビルの隙間をすり抜ける必要はないけど
これ以上沈まないように
差し込むひかりを見失わずに
君の生きる海を見つめながら

夜という海を泳ごう
ただふたりで